世は世界を巻き込んだ争いの後。街は荒廃し、全てに抑圧されている。
人々から娯楽という娯楽の全てを奪い、ヒューマノイドが跋扈する喜びのない世界、ディストピアと化していた。
わずかに残った人々は生きる希望をなくし、一様に同じことを繰り返す。
ただ”今”が過ぎていくのを待つように、ただ”終わり”が来るのを待つように…

その街に、ひとりの少女が佇んでいる。
彼女の名前は”KOE”

まるで隠されるように人との交流を遮断された人里離れた場所で生まれ育った彼女は母と、一匹の猫”フレディ”と共に歌や音楽を聞いて育った。
母が教えてくれた歌、それはKOEの生きる慰めであり、喜びであり、全てだった。

ある日、唯一の理解者である母がいなくなってしまう。
KOEを守るために自らが矢面に立ち、そして姿を消した。
連れ去られてしまったのだろうか。今も逃げ続けているのだろうか
ママを助けなきゃ、探しに行かなきゃいけない。
KOEは出てはいけないと言われていた家の外へと、フレディと共に出てしまう。

想像とは違う荒廃した街－
絶望と孤独、空腹で一人路地裏で膝を丸め、堪え切れない感情がとめどなく押し寄せた時、突然、フレディが毛玉を吐き出すと、ホログラムが映し出され音楽が鳴り響く。
KOEはその音楽に合わせ歌い出すと、感情のなくなっていた人々がその彩りを取り戻し始めていく。

気づく自らに残された「歌」という特別な力。
親しい人との別れ、新たな出会い。
感情をなくしたこの世界で、自分に何ができるのか。

今、新しい世界が始まる・・・